「最近、肌のハリがなくなってきた気がする」
「関節が以前より硬く感じる」
「冷えやすく、回復に時間がかかるようになった」
こうした変化を感じたとき、多くの方は
「年齢のせいだから仕方がない」
と受け止めてしまいがちです。
もちろん、加齢は体にさまざまな影響を与えます。
ただ、その変化を一括りにせず、体の中で何が変わってきているのかを整理してみると、今の状態を理解する手がかりが見えてくることがあります。
その視点で注目されている体の構成要素の一つが「エラスチン」です。
エラスチンは、美容の話題として語られることが多い一方で、本来は 体のしなやかさや弾力性を支える基礎的な構造物質です。
この記事では、エラスチンを「摂るべき成分」としてではなく、体の仕組みを理解するためのキーワードとして整理していきます。
エラスチンって何? 身体の中の“しなやかさ”を支える存在

エラスチンは、皮膚や血管、肺、靭帯、腱など、伸び縮みが必要な組織に含まれている弾性線維の主要成分です。
体の構造をイメージすると、よく「コラーゲン」が注目されますが、コラーゲンだけでは体は硬くなってしまいます。
ここで役割を分けて考えると、理解しやすくなります。
- コラーゲンは、体の形を保つ「強さ」の土台
- エラスチンは、その構造に「しなやかさ」を与える要素
- 両者がバランスよく存在することで、伸びて戻る性質が保たれる
この関係性が崩れると、組織は「支えはあるが、柔らかく動けない」状態になりやすくなります。
体のどこに関係しているのか? 作用を整理する
エラスチンは、特定の一部だけに関係しているわけではありません。
体のさまざまな場所で、弾力性という共通した役割を担っています。
① 肌のハリ・弾力との関係

肌のハリは、水分量や表面のケアだけで決まるものではありません。
皮膚の内側、真皮層にある構造そのものが大きく関係しています。
エラスチンは、この真皮層でコラーゲン同士を結びつけ、皮膚が伸びても元に戻る性質を支えています。
この弾性が弱くなると、肌は「張りつめた感じ」ではなく、重力に引っ張られやすい状態になっていきます。
肌の変化を感じたとき、表面だけでなく「内部構造がどうなっているか」という視点を持つことが、
状態理解の第一歩になります。
② 血管・循環とのつながり

エラスチンは、血管の壁にも多く含まれています。
血管がしなやかであることは、血液がスムーズに流れ、圧力の変化に対応できることを意味します。
弾力性が保たれていれば、血管は必要に応じて広がり、縮み、全身への血流を調整することができます。
一方で、この柔軟性が低下すると、血流は滞りやすくなり、冷えや回復の遅さとして体感されることがあります。
③ 関節・結合組織の柔らかさ

靭帯や腱といった結合組織にも、エラスチンは含まれています。
これらの組織は、関節を安定させながらも、動きを制限しすぎない役割を担っています。
エラスチンの働きが弱くなると、関節は「壊れやすい」わけではなく、動きがぎこちなく、硬さを感じやすい状態になります。
年齢とともに動きづらさを感じる背景には、こうした構造レベルの変化が関係している可能性もあります。
なぜ加齢や生活習慣で変化が起こるのか
エラスチンは、若い時期に多く作られ、その後は徐々に減少していくといわれています。
その理由は一つではなく、日常のさまざまな要素が影響します。
- 加齢による代謝の変化
- 紫外線や酸化ストレスの影響
- 睡眠や生活リズムの乱れ
これらが重なることで、エラスチンの量や質が変化し、体の弾力性に影響が出やすくなります。
ここで大切なのは、「減るから仕方がない」で終わらせないことです。
今、体がどのような状態に傾いているのかを整理することで、見え方は大きく変わります。
生活の中で気づくサイン
日常生活の中では、次のような感覚として現れることがあります。
- 肌の張りが戻りにくいと感じる
- 朝、関節がこわばって動きにくい
- 冷えや疲れが抜けにくい
これらは、単独の症状ではなく、体の弾力性を支える仕組み全体の変化として捉えると、状態を理解しやすくなります。
まとめ:エラスチンは「弾力性」という視点で体を理解する鍵
エラスチンのように、体の「しなやかさ」や「弾力性」を支える仕組みは、一つの部位や一つの要素だけで成り立っているわけではありません。
肌・血管・関節・筋肉・内臓の働き、そしてそれらを調整する自律神経や生活リズムが重なり合いながら、今の体の状態がつくられています。
そのため、
「どこが弱っているのか」
「どこから整える必要があるのか」
を自分一人で正確に判断するのは、簡単なことではありません。
当院では、症状や部分だけを見るのではなく、体全体のつながりや回復力の状態を整理しながら、今の体にとって何が必要なのかを一緒に確認していくことを大切にしています。
もし、
「自分の体の状態を一度きちんと整理してみたい」
「今の不調が、どこから来ているのかを知りたい」
と感じた方は、
当院の考え方や施術の捉え方をまとめた
【初めての方へ】のページも、参考資料としてご覧ください。


