手足が冷たくてなかなか温まらない…
靴下を履いて寝ても足先が冷える…
冬だけでなく、夏の冷房でも体が冷えてしまう…
このような冷えのお悩みを抱えている方は少なくありません。
冷え性というと「血流が悪いから」と言われることが多いですが、実際にはそれだけではありません。
筋肉量の低下や自律神経の乱れ、ストレス、睡眠不足、食生活の偏りなど、さまざまな要因が関係しています。
東洋医学では、こうした冷えに対してお灸やツボ刺激が用いられてきました。
今回は、お灸が冷えに使われる理由と、冷えのセルフケアで活用しやすい代表的なツボを5つご紹介します。
お灸はなぜ冷えに使われるのか
お灸は、もぐさを燃焼させて温熱刺激を与える伝統的な施術法です。
体を直接温めるだけでなく、ツボへ刺激を加えることで体の巡りを整える目的で用いられてきました。
もちろん、お灸だけで冷えの原因がすべて解決するわけではありません。
しかし、温熱刺激によって体がリラックスしやすくなったり、血流の改善をサポートしたりすることが期待されています。
実際に鍼灸院でも、冷え性の方にお灸を取り入れることは少なくありません。
冷えは「血流」だけの問題ではない
冷え性の方の多くは、
「血流が悪いから冷えている」
と考えています。
確かに血流は重要な要素です。
ただ実際には、
・自律神経の乱れ
・筋肉量の低下
・ストレス
・睡眠不足
・栄養状態の偏り
なども関係しています。
そのため、同じ冷え性でも原因は人によって異なります。
冷えのタイプについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▶ 冷え性に効く漢方薬ってどれ?冷えのタイプから考える選び方
冷えに使われる代表的なツボ5選
ここからは、冷えのセルフケアでよく使われる代表的なツボをご紹介します。
お灸がない場合は、指でゆっくり押して刺激するだけでも構いません。
強く押しすぎず、「気持ちいい」と感じる程度を目安にしてみてください。
血海(けっかい)
こちらのツボは名前の通り『血』に関係するツボです。
『血』は血液のこと。
『海』とは「水が集まる」「水を引き戻す」などという意味があります。
特に足先の冷えや下半身の重だるさが気になる方によく使われます。
ツボの位置は、膝のお皿(内側)から指3本分ほど上に上がった部分。
その部分に指を当てたまま膝を伸ばしてみて下さい。
へこむ部分があると思うので、その周囲を軽く押して痛いとこがツボです!
太衝(たいしょう)
ストレスによる緊張や気分の張りつめた状態に対して用いられることが多く、東洋医学では非常に重要なツボのひとつとされています。
ストレスが続くと自律神経が乱れやすくなり、結果として冷えにつながることもあります。
そのため、冷えとストレスが同時に気になる方によく使われます。
『太』は「太く、豊か」という意味があります。
『衝』には大きな路、気の流れにとって重要な場所という意味です。
ツボの位置は足の甲側にあります。
親指と人差し指の間から、足首の方へ指を滑らせてみて下さい。
2本の骨が途中で近づいているため、指が骨に当たって止まります。
そこにあるへこみ部分がツボです。
三陰交(さんいんこう)
三陰交は冷えのツボとして非常に有名です。
内くるぶしから指4本分ほど上に位置します。
特に女性の冷えや月経に関する悩みで使われることが多く、生理痛や生理不順、更年期のお悩みなどでも活用されます。
冷え性でどのツボを押したら良いかわからない場合は、まず三陰交から試してみるのも良いでしょう。
ツボの位置は、ふくらはぎの内側にあります。
内くるぶしの頂点から指4本分上にあり、くるぶしに小指を当てたら人差し指の高さにあります。
湧泉(ゆうせん)
東洋医学では生命力に関係するツボとして知られており、疲労感や足の冷えに対して用いられることが多いです。
足裏はセルフケアもしやすいため、お風呂上がりなどに刺激してみるのもおすすめです。
ツボの位置は、足裏の中央より少し指側にあります。
足指を曲げたときに最もへこむ部分にあります。
太谿(たいけい)
下半身の冷えに対して使われる代表的なツボのひとつです。
先ほど紹介した湧泉と組み合わせて刺激すると、足元の冷え対策として取り入れやすいでしょう。
太谿の『太』は太い、大きなという意味。
『谿』には渓谷や渓流といった意味があります。
太谿は、足裏の湧泉から湧き出たエネルギーが渓流となり流れ込むという大事なツボです。
ツボの位置は、内くるぶしとアキレス腱の間にあります。
触るとへこんでいて、脈拍を感じる部分があるので、そこが太谿です。
ツボだけで冷えは改善するのか?
ここでひとつ大切なことがあります。
それは、ツボだけで冷えの原因が解決するわけではないということです。
冷えの背景には、運動不足による筋力低下があったり、睡眠不足による自律神経の乱れがあったり、ストレスによる緊張状態が続いていたりすることもあります。
そのため、ツボやお灸はあくまでもセルフケアのひとつとして考えることが大切です。
例えば、
適度な運動を取り入れる。
湯船に浸かる習慣をつける。
睡眠時間を確保する。
こうした積み重ねも、冷え対策には重要になります。
冷え改善は体全体をみることが大切
冷えは手足の問題だけではありません。
体の回復力や自律神経、血流、筋肉量など、さまざまな要素が関係しています。
そのため、「足先だけ温めれば解決する」というものでもありません。
長年冷えに悩んでいる方ほど、体全体の状態を見直してみることが大切です。
まとめ
お灸は、温熱刺激によって体を温めながら、ツボを通じて体の巡りを整える目的で活用されてきた方法です。
今回ご紹介した、
・血海
・太衝
・三陰交
・湧泉
・太谿
は、冷えのセルフケアでよく使われる代表的なツボです。
ただし、冷えの原因は血流だけではありません。
自律神経や睡眠、ストレス、筋肉量なども大きく関係しています。
体の状態は、一部分だけでは判断しにくく、複数の要素が重なって不調として現れていることも少なくありません。
当院では、症状だけでなく体全体の状態を整理する視点を大切にしています。
体の捉え方や施術の考え方については、
▶ 初めての方へ
のページも参考資料としてご覧ください。


