みなさんこんにちは。
ほっと鍼灸接骨院の鈴木です。
まだまだ残暑が厳しいですね…
早く涼しくなることを願います!
さて、みなさんは寝ていて腰が痛くなることないですか?
中には強い痛みを感じてしまい、眠れないことや途中で目が覚めてしまう方もいると思います。
睡眠不足になると血流が悪くなり、体の回復力も低下してしまいます。
今回の記事は、腰痛の痛みを悪化させない寝方や就寝時に気を付けることを解説していきます。
腰痛が起こる原因は?
まずは腰痛についての基礎知識をお話します。
腰痛とは腰に痛みを感じる状態のことを言いますが、急な強い痛みが特徴のギックリ腰、何週間も治らず痛みを感じる慢性腰痛、腰から脚にしびれや痛みが出る神経症状が合併する腰痛など、腰痛は様々!
腰痛は大きく2種類に分けられます。
特異的腰痛と非特異的腰痛です。
小難しい名前ですね…
特異的腰痛は、原因がはっきりしているもの!
レントゲン検査やMRI検査、CT検査などを行うことでお医者さんが原因を特定することができます。
腰痛だと、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が検査で多くみつけられますね。
非特異的腰痛は、検査を行っても原因が特定できない腰痛です。
全体の8割以上は非特異的腰痛とされています。
ってことは整形外科や病院に行っても、ほとんどが原因不明というわけだ(;´Д`)
骨盤のゆがみや悪い姿勢、疲労などからくる腰痛やストレスによる腰痛、女性特有の腰痛など原因はとっても多いです。
寝る姿勢と腰痛の関係性
腰痛の多くは腰に負担のかかる事をした際や長時間同じ姿勢を保持した際に痛みを感じます。
これは動くことによる筋疲労や姿勢保持で筋肉を動かさないことで、緊張が強くなって起こる腰痛だからです。
でも寝ている時って体はリラックスしているはずでは?
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
何故、寝ているだけで腰に負担もかけないのに、腰痛が起きるのか解説します!
まず、前述した特異的腰痛と非特異的腰痛で原因は変わります。
特異的腰痛の多くは腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など骨や軟骨の変形から引き起こされる腰痛です。
他にも内臓の病気とかもありますが。
どれも腰痛を引き起こす原因がはっきりと確認できます。
ヘルニアでは椎間板から飛び出た髄核が、脊柱管狭窄症では骨の変形などで神経が圧迫されてしまします。
内臓系の病気があれば、臓器の不調が神経を通じて腰に痛みを感じさせます。
このように原因が物理的に解消されない腰痛は、安静時にも痛みを感じることが多く、寝方で痛みが解消するのは基本的に難しいです。
場合によっては、患部に負荷がかからないような寝方をすると腰痛が軽減することもあります。
特異的腰痛に対しては、医師と相談のうえ、痛み止めなどを処方してもらい痛みのコントロールをすることをお勧めします。
逆に、非特異的腰痛に関しては、寝る姿勢によって痛みを軽減させることができます。
まずは寝る姿勢で起こる腰痛について、仰向け、うつ伏せ、横向きそれぞれの原因をご紹介します。
うつ伏せで起こる腰痛の原因は?
うつ伏せの寝方は、寝方の中で最も悪い寝方です!
腰痛を引き起こしやすい寝方とされています。
うつ伏せで寝ていると、重力が腰にかかり腰椎の反りが強くなってしまいます。
腰椎は正常な状態でも軽く反っているため、反りが強くなると筋肉の緊張や神経の圧迫などが起こり、腰痛の発症、悪化につながります。
普段腰痛を強く感じている方がうつ伏せで寝ると、何故か痛みが楽になることがあります。
痛みが引いたからって良い訳ではありませんので要注意!!
この場合、腰椎になにかしらの問題が起きている可能性があります。
整形外科や病院でまずは検査を受けましょう。
検査上問題が無ければ、筋肉や他の部位からの影響が考えられるので、接骨院や鍼灸院で診てもらいましょう。
横向きで起こる腰痛の原因は?
横向きの寝方は、腰痛の痛みを軽減する寝方として最も用いられる寝方です。
一番は仰向けが体にとって良いのですが、ギックリ腰や筋筋膜性腰痛など筋肉や関節に炎症がある場合、横向きが最も腰の動きが少なく、痛みが出にくくなります。
しかし、横向きでも痛みがある側を下にして寝てしまうと痛みが出てしまう可能性があります。
横向きで寝ると片側に体重がかかるため、下側になっている腰やお尻の筋肉が硬くなってしまいます。
緊張した筋肉は血流も悪くなり、痛みの原因となります。
横向きで寝る場合は、不調や痛みを感じている方を下にしないよう注意が必要です。
仰向けで起こる腰痛の原因は?
仰向けの寝方は体にとってベストな寝方です!
体の圧力が均等に分散され、他の寝方に比べて腰への負担が圧倒的に少なくなります。
ただし!
「腸腰筋」という股関節を動かす筋肉が硬くなると仰向けで腰痛が出る可能性があります。
腸腰筋は腰椎から足の大腿骨に繋がる筋肉で、硬くなると腰を反らしてしまいます。
その場合、足を伸ばした状態で仰向けになると、腸腰筋が腰椎を引っ張てしまうのです。
この引っ張りのせいで腰椎が反らされ、腰痛を引き起こします。
腰痛を軽減するための寝方
腰痛は人それぞれ症状や場所が違います。
同じような症状でも、原因が違えば対処法も変わります。
一概にこの寝方をすれば楽になるとは言えませんが、腰への負担を軽減することで痛みが軽減する可能性もありますので、症状別の適した寝方をご紹介します!
左右両方に痛みがある腰痛
腰全体に痛みが出ている腰痛は、仰向けでも横向きでも寝やすい方で大丈夫です。
さらに!
股関節と膝を少し曲げて寝ると、より腰痛の軽減が期待できます。
腰全体に痛みが出ている場合は、股関節にある腸腰筋の緊張が原因の可能性が高いです。
仰向けで出る腰痛の原因でもお伝えしたように、腸腰筋が硬くなり腰が反らされ、腰の負担が増えて痛みが出ます。
そういった理由から、股関節と膝を曲げることで腸腰筋の緊張が緩和し、腰痛の軽減につながります。
試してみて感じたかとも多いと思いますが、実際に仰向けで膝を曲げたまま寝ると、足に力が入って寝ずらくなってしまうかと思います。
そのような方は、厚めのクッションやタオルを丸めて膝の下に入れてあげると楽に態勢が作れます。
クッションやタオルでは、寝ている間に外れることもあるので、敷き布団の下にクッションやタオルを入れてしまう方法も有効です。
左右どちらかに痛みがある腰痛
左右どちらかに痛みがある場合は、基本的に横向きで寝る方が腰痛の軽減が期待できます。
腰の筋肉が片側だけ硬くなっていると、片側の腰痛が起こります。
背中の脊柱起立筋や腰の腰方形筋と呼ばれる筋肉が原因となっている可能性が高いです。
筋肉が原因の腰痛は痛い方を下にすると血流が悪くなり痛みの悪化を引き起こします。
痛い方を上にして寝てあげましょう!
腰の痛みだけではなく神経痛が脚の方まで出ている場合、痛い方を下にするのがオススメ。
お尻にある坐骨神経は、梨状筋と呼ばれる筋肉が原因となる事が多いです。
そのため、お尻の筋肉が引っ張られると神経の圧迫が強くなり、痛みが強く出ます。
横向きでは上になる方の筋肉が引っ張られやすいので、痛い方を下にして筋肉が引っ張られるのを避けるようにすると、痛みが軽減する場合があります。
寝具選びで腰痛を軽減
腰痛の軽減には寝方を変えることが効果的といいましたが、寝ている間ずっと同じ態勢でいるわけではありません。
筋肉が固まらないよう寝返りをうって態勢を変えてしまいます。
寝返りをしているうちに腰痛が出やすい寝方になってしまう場合もあります。
ずっと同じ態勢では体にも良くないので、寝返りを制限するわけにもいきませんしね…
そこで!
少しでも腰の負担を軽減できるよう、腰痛に有効な寝具を選ぶ必要があります。
中でもマットレスは柔らかい低反発や硬い高反発があり、体の状態によって適しているものが変わります。
体とマットレスの相性についてお話していきます。
高反発マットレス
高反発マットレスは、朝起きた際に腰痛を感じる方にオススメです!
朝起きて腰痛を感じる方は、寝返りが少なく、寝ている間に筋肉が固まっている可能性が高いです。
高反発マットレスはある程度の固さがあるため、体あまり沈まないので寝返りがうちやすくなります。
寝返りがうてれば筋肉も硬くなりづらいので、腰痛の予防ができます。
その反面、マットレスが体にフィットしにくいため、腰とマットレスの間に空間ができやすくなってしまいます。
仰向けで腰痛が出る、痛みはないが仰向けになると腰とマットレスの間に空間ができてしまう方は合わない可能性があるので、注意が必要です。
低反発マットレス
低反発マットは、仰向けになると腰痛を感じる方にオススメです。
姿勢が悪い状態の方が高反発マットレスで仰向けになると、体とマットレスの間に隙間ができてしまいます。
隙間ができると背骨の曲がっている部分の負担が大きくなり、腰痛を引き起こしやすくなってしまいます。
低反発マットレスは、肩や背中、骨盤などの突出した部分が沈み込み、全体で体を支えることができるので、腰痛もでにくくなります!
今では様々なメーカーが特徴のあるマットレスを出しています。
ご自身の腰痛がしっかり見極め、マットレスを選ぶようにしましょう。
寝る前に行う腰痛予防
寝方や寝具による腰痛対策をお伝えしましたが、ご自身でも原因を軽減させるセルフケアを行うことがさらに重要です!
ここからは腰痛が出にくくなる予防法をお伝えします。
ストレッチ
腰痛予防で最も効果的なのがストレッチです。
腰痛が起きる原因の多くは筋肉なので、ストレッチを行う事で原因となる筋肉の柔軟性を高めて、腰の負担を軽減させます。
特に寝る前に行う事で、一日頑張った体の疲労が軽減され、筋肉も緩ませることができるのです!
毎日、継続的に行う事で健康的な体に導けます♪
腰痛の原因となりやすい殿筋(お尻の筋肉)と腸腰筋に対してのストレッチをご紹介します。
殿筋のストレッチ
このストレッチは椅子などに座った状態で行います。
右の殿筋を伸ばす場合
- イスに浅く座ります
- 右足首を左の太ももの上にのせます
- 背筋を伸ばしたまま上半身を前に倒します(前かがみになります)
※背中が丸くならないように注意しましょう
- お尻に痛みを感じる手前で維持します(10秒程度)
- 上記の流れを左右3セットずつ行います
腸腰筋のストレッチ
右の腸腰筋を伸ばす場合
- 膝立ちの状態になります
- 左膝が90度になるように左足を前に出します
- そのまま両手を左ももの上に乗せ、右の股関節を前に押し出すように動かします
※背中が丸くならないように注意しましょう
- この状態を10秒キープ
- 上記の流れを左右3セットずつ行います
ストレッチをして痛みを感じる場合は、痛みが出ない程度に軽めのストレッチにするなど調整OK!
無理をしないよう調整してください。
冷え対策
体の冷えも腰痛の大きな原因です。
特に足の冷え性がある方は、腰痛が出やすい傾向にあります。
冷えに対する予防法として、まずはお風呂でしっかり温め、血流を良くしましょう!
しかし、冷え性が強い方は時間が経つと冷えが戻ってきてしまう場合があります。
その場合は、少し手間ですが足湯などで寝る前に足を温める方法も有効です。
また、足首ウォーマーなどを使用し、足元を冷やさないようにすることもおすすめです。
前述したストレッチなどで筋肉を緩めることも血流改善につながるので、併せて実践したいですね!
湿布、痛み止め
最後は寝る姿勢に関わらず痛みを感じてしまう腰痛に対しての予防法です。
予防法というよりかは、また対処法になってしまいますが…
痛みが強い場合は湿布や痛み止めを使用することで、痛み自体を抑制することができます。
しかし、これらの対処法は炎症を伴う痛みに対しての方法です。
筋肉のコリが強くなると細胞に酸素がいかなくなり、酸欠状態になって痛みを発します。
このような痛みに対して湿布などはあまり効果を発揮しません。
要するに、筋肉のコリに湿布や痛み止めは効かないということです。
原因がはっきりしない腰痛では、炎症の有無を自信で判断するのは難しいと思います。
湿布や痛み止めを使用してみて、痛みがほとんど変わらなければ、それ以上の効果は期待できないと考えてよい思います。
その場合は、ストレッチや温めるなど、筋肉のコリを緩和させる方法を行うようしていきましょう。
腰痛は根本治療が重要
腰痛は根本的な原因が残っていると、いつまでも腰痛を繰り返してしまいます。
しかも腰痛の原因は様々で、ひとりひとり異なります。
症状の強い腰痛や、慢性的な腰痛は早めに医療機関を受診し根本治療を行う必要があります!
腰痛を放置すると、痛みが慢性化するだけではなく、腰以外の負担が増え、次第に他の部位にも痛みなどの症状が出る可能性があります。
たとえ就寝時だけの腰痛でも、早期に治療を行いましょう。
まとめ
原因がはっきりしている特異的腰痛では寝る姿勢で痛みを軽減することは難しいことが多いです。
しかし、非特異的腰痛に関しては寝る姿勢を変えるだけでも痛みを軽減させられる可能性があります。
左右両方に痛みが出ている腰痛は、仰向けもしくは横向き、左右どちらかに痛みがある場合は、痛い方を上にした横向きがオススメ!
もし足まで神経痛がある場合は、逆に痛い方を下にすると痛みが軽減することがあります。
朝起きた際に痛みがある方は、寝返りをしやすくするため、高反発マットレスの寝具に変えるのもオススメです。
普段から猫背や反り腰など、姿勢があまり良くないな…
って方は低反発のマットレスがオススメです!
腰痛の予防法として、ストレッチ、冷え性対策、湿布や痛み止めがあります。
ストレッチや冷え性対策はできるだけ毎日行う事で腰痛予防にかなり効果的です。
痛みが強くなった時だけ、湿布などで対処しましょう。
湿布や痛み止めを継続的に使用するのはNGです!!
ご紹介してきた内容は、あくまで対処法、予防法です。
根本的な原因を改善することが腰痛には最も重要になります。
痛みが強い場合や腰痛が慢性化している場合、整形外科、接骨院や鍼灸院で適切な根本治療を行いましょう。
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