むくみはなぜ起こる?体に水分がたまる仕組みと原因、簡単セルフケアを解説

症状・悩みの考え方

「夕方になると靴がきつくなる」
「仕事が終わる頃には、ふくらはぎがパンパン」
「朝起きると顔がむくんでいる」

このような経験はありませんか?

むくみは比較的よくある症状ですが、単純に「水分を取りすぎたから起こる」というものではありません。

長時間立っていたり座っていたりすることで起こる一時的なむくみもあれば、心臓・腎臓・肝臓などの病気や静脈、リンパの流れが関係しているものもあります。

そのため、むくみを考えるときは、

「どこに水分がたまっているのか」
「なぜ水分が戻らなくなっているのか」

という仕組みから理解しておくことが大切です。

今回は、むくみが起こるメカニズムから、日常生活で多い原因、簡単にできるセルフケア、受診を考えた方がよいサインまで整理していきます。

むくみ(浮腫)とは?

医学的に「浮腫(ふしゅ)」とは、細胞と細胞の間にある組織へ、必要以上に水分がたまった状態をいいます。

体の水分は、血管の中だけに存在しているわけではありません。

毛細血管からは日常的に水分や栄養素が組織へ移動し、細胞へ必要なものを届けています。

その後、水分の多くは血管側へ戻り、一部はリンパ管によって回収されます。

この「出ていく水分」と「戻ってくる水分」のバランスが保たれていれば、大きなむくみは起こりません。

ところが、何らかの理由で血管から外へ出る水分が増えたり、戻す力やリンパによる回収が追いつかなくなったりすると、細胞と細胞の間に水分が残ります。

これが「むくみ」です。

むくみが起こる4つの仕組み

むくみにはさまざまな原因がありますが、医学的には主に4つの仕組みが関係しています。

1.毛細血管の静水圧が高くなる

静水圧とは、簡単にいうと血管の中から外へ水分を押し出す力です。

特に足では、重力の影響を受けるため、長時間立っていたり座っていたりすると静脈側に血液がたまりやすくなります。

すると血管内の圧力が高くなり、毛細血管から周囲の組織へ水分が移動しやすくなります。

夕方になると足首やふくらはぎがむくみやすいのは、このような仕組みも関係しています。

実際、健康な方でも長時間立ったり座ったりしたあとに両足が軽くむくみ、朝には改善することがあります。

一方で、心不全や静脈の病気などによって静脈圧が高くなり、むくみが起こるケースもあります。

2.血液中のたんぱく質が少なくなる

血管には、水分を血管内へ引き戻そうとする膠質浸透圧という力があります。

この働きに大きく関係しているのが、血液中の「アルブミン」というたんぱく質です。

アルブミンが減少すると、血管の外へ出た水分を十分に引き戻しにくくなり、むくみにつながることがあります。

ネフローゼ症候群などの腎疾患、肝機能の低下、強い低栄養などでみられることがあります。

3.毛細血管から水分が漏れやすくなる

炎症やアレルギーなどによって毛細血管の透過性が高くなると、血管の中から組織へ水分が移動しやすくなります。

例えば、ケガをしたところが腫れるのも、このような炎症反応が関係しています。

感染症やアレルギー反応などでも、局所的なむくみが起こることがあります。

4.リンパによる水分回収がうまくいかなくなる

血管から組織へ出た水分の一部は、リンパ管によって回収されています。

そのため、リンパの流れが障害されると水分やたんぱく質などが組織にたまり、むくみが起こります。

手術や放射線治療などによってリンパの通り道が影響を受けた場合には、「リンパ浮腫」が起こることもあります。

つまり、むくみは単純な「血流の悪さ」だけではなく、

血管から出る水分・血管へ戻る力・毛細血管の状態・リンパによる回収

これらのバランスによって起こっているのです。

日常生活で足がむくみやすくなる理由

病気がなくても、日常生活の中で足がむくむことはあります。

特に多いのが、長時間の立ち仕事やデスクワークです。

足まで流れてきた静脈血は、心臓へ戻らなければなりません。
そのときに重要な役割を果たしているのが、ふくらはぎの筋肉です。

歩いたり足首を動かしたりすると、ふくらはぎの筋肉が収縮し、静脈の血液を上へ押し戻す働きを助けます。
いわゆる「筋ポンプ作用」です。

ところが、長時間ほとんど動かずにいると、このポンプが十分に働きにくくなります。

その結果、足の静脈に血液がたまりやすくなり、夕方になるにつれて足首やふくらはぎがむくみやすくなります。

当院でも、むくみを気にされている方に普段の生活を伺うと、

「朝から夕方までほとんど座りっぱなし」
「立ち仕事だけれど、その場からほとんど動かない」

というケースは少なくありません。

「運動不足だからむくむ」というより、長時間筋肉を動かさない状態が続いていることに目を向けると、対策も考えやすくなります。

また、こうした方の中には、むくみだけではなく「足先が冷える」「夕方になると足が冷たく感じる」といった悩みを一緒に抱えている方もいます。

冷えとむくみはまったく同じものではありませんが、どちらも血流や筋肉の働き、日常の活動量などと関係することがあります。

そのため、むくみだけを見るのではなく、普段どのくらい体を動かしているのか、冷えを感じていないか、生活習慣に偏りがないかといった視点から体の状態を考えることも必要です。

冷えやむくみを「温めるだけ」で考えてよいのかについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▶ 体の冷え・むくみは“衣類だけ”で改善する?~体温・血流・回復力のバランスが整わない理由とは

塩分・お酒・水分はむくみに関係する?

食生活も、むくみに影響することがあります。

特に塩分を多く摂ると、体内ではナトリウム濃度を調節するために水分を保持しやすくなります。

そのため、外食や加工食品が続いた翌日に「顔や指がむくんでいる」と感じることもあります。

また、お酒を飲みすぎた翌日にむくむ方もいるでしょう。

ただし、

「むくむから水分を減らす」

という考え方には注意が必要です。

水分摂取を極端に制限すればよいわけではありません。

脱水になると体調を崩すこともありますし、むくみの原因によって適切な水分量は異なります。

通常の生活で起こる軽いむくみであれば、水分を極端に減らすよりも、塩分や飲酒量、普段の活動量などを含めて生活全体を振り返る方が現実的です。

むくみ対策は「ふくらはぎを動かす」ことから

立ち仕事やデスクワークによる一時的な足のむくみであれば、まず取り入れたいのがふくらはぎと足首を動かすことです。

難しい運動をする必要はありません。

かかとの上げ下げ

立った状態で、ゆっくりとかかとを持ち上げ、つま先立ちになります。

その後、ゆっくりとかかとを下ろします。

まずは10回程度から始めてみましょう。

デスクワークの途中や家事の合間など、長時間同じ姿勢が続いたときに行うと取り入れやすいと思います。

転倒に不安がある方は、壁や椅子につかまって行ってください。

足首を動かす

座った状態でも構いません。

つま先を上げたり下げたり、足首をゆっくり回したりしてみましょう。

足首を動かすことで、ふくらはぎの筋肉も一緒に使います。

特に「運動する時間を取れない」という方は、長く座ってからまとめて運動するより、仕事の途中でこまめに足を動かすことから始めると続けやすいでしょう。

ウォーキングもむくみ対策になる?

日常的に歩くことも、足の筋肉を使う機会を増やす方法のひとつです。

ただし、むくみをなくすために急に長時間歩く必要はありません。

普段あまり歩かない方なら、まずは日常生活の中で歩く時間を少し増やしてみましょう。

ウォーキングを健康づくりに取り入れるときの時間や歩き方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

▶ ウォーキングの効果を高める3つのポイント|時間・歩き方・続け方を解説

温めたりマッサージしたりしてもいい?

長時間同じ姿勢を続けたことによる軽いむくみであれば、入浴や軽いストレッチなどで体を動かしやすくする方法もあります。

ただ、むくんでいるからといって、何でも強く揉めばよいわけではありません。

特に片足だけ急に腫れた場合や、赤み・熱感・強い痛みがある場合には、血栓や感染など別の病気が隠れている可能性があります。

このような状態で自己判断による強いマッサージを行うのは避けましょう。

こんなむくみは医療機関へ

日中の立ち仕事などで両足が軽くむくみ、休んだり翌朝になったりすると改善する程度であれば、過度に心配する必要がないこともあります。

しかし、むくみの中には病気のサインとして現れるものがあります。

特に注意したいのは、

  • 片方の足だけ急に大きく腫れた
  • むくみと一緒に痛み・赤み・熱感がある
  • 息苦しさや胸の痛みを伴う
  • 全身のむくみが続いている
  • 朝になってもほとんど改善しない
  • 短期間で体重が急に増えた

といった場合です。

むくみの原因には、心不全、腎疾患、肝疾患、深部静脈血栓症、静脈疾患、リンパ系の障害なども含まれます。

特に片足の急な腫れや息苦しさ・胸痛を伴う場合には、早めの医療機関受診が必要です。

「むくみくらいだから」と長期間放置しないようにしてください。

むくみは「体の巡り」だけで考えない

当院でも「血流が悪いからむくんでいると思います」と相談されることがあります。

もちろん、長時間同じ姿勢が続き、静脈の血液が戻りにくくなることで起こるむくみはあります。

一方で、むくみの背景には、血管内の圧力、血液中のたんぱく質、炎症、リンパの流れなど、さまざまな仕組みが関係しています。

だからこそ、「むくみ=血流が悪い=揉めばいい」という単純な考え方にはしないことが大切です。

日常的な軽いむくみであれば、こまめに体を動かす、食生活を見直す、長時間同じ姿勢を避けるなどから始めてみましょう。

それでも改善しない場合や、むくみ方に違和感がある場合は、一度原因を確認することも必要です。

まとめ|むくみは「水分が多い」だけではありません

むくみは、細胞と細胞の間に必要以上の水分がたまった状態です。

その背景には、毛細血管の静水圧の上昇、血液中のたんぱく質低下、毛細血管の透過性亢進、リンパ系の障害など、複数の仕組みがあります。

一方で、夕方に足がむくむなど日常的な症状では、長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしによってふくらはぎの筋ポンプ作用が十分に働いていないこともあります。

まずは、

こまめに足首を動かすこと。
ふくらはぎを使うこと。
長時間同じ姿勢を続けないこと。

こうした日常の工夫から始めてみてください。

ただし、左右差が強いむくみ、急激な腫れ、痛みや赤み、息苦しさなどを伴う場合には、セルフケアだけで様子を見ず医療機関へ相談しましょう。

当院では、むくみだけを見るのではなく、姿勢や関節の動き、筋肉の状態、日常生活での体の使い方なども確認しながら、体全体の状態を整理することを大切にしています。

体の捉え方や施術の考え方については、
▶ 初めての方へのページも参考資料としてご覧ください。

監修者名
ほっと鍼灸接骨院 管理柔道整復師
鈴木 拓郎

生年月日:1987年5月25日 
出身地:千葉県千葉市
学歴:帝京平成大学ヒューマンケア学部卒
   帝京平成大学大学院 柔道整復学専攻 修士課程修了
資格:柔道整復師
   スポーツ整体ボディケアセラピスト
   中学・高校教諭一種免許状(保健・体育)

大学院で骨盤、骨盤の調整に関する研究をしていました。
その研究成果である骨盤調整を自院での施術に活かしております。

骨盤から起こる体の不調が得意ですが、プロスポーツ選手などの施術経験もあり、幅広い分野で体の不調に対応できます。

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